ごめんなさい。



 ごめんなさい。


 もう届かないかもしれないけれど、叔父さん、叔父さん、ごめんなさい。


 私は叔父さんが何を悩んでいたのか知らない。


 何が苦しかったのか知らない。


 でもわかっていた。


 最初からわかっていたのに。


 ごめんなさい。


 お祖母ちゃんのお通夜の日、誰とも目を合わせなかった叔父さん。


 誰ともはなしをせず、挨拶もしなかった叔父さん。


 苦しかった? ごめんね。ごめんね。


 何かできたとは思えない。だけど話せば良かった。


 つらかった? 大変だった?


 私の話をすればよかった。


 ずーっと病院に通っている私のいろんな話をすればよかった。


 何もできなくても、側にいればよかった。


 ママに、叔父さんを病院に連れて行ったほうが言いと言ったけど、ママは私の話を聞いていなかった。


 叔父さんに直接話して傷つけるのが怖かった。


 叔父さんが傷ついたら、私も傷つくから、ママに話して部屋に逃げた。


 ごめんね叔父さん。


 私には何もできなかったかもしれない。


 でも、何かできたかもしれないのに。


 今はもう辛くない?


 もうどこにもいない叔父さん。


 ごめんね。

 


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